さて、数えたわけではありませんが、日本に『ラブホ』というのは、かなりの数があるようです。
大阪の繁華街なんかを歩いていると、たまに突然、大きなラブホテルが、何件か建ってたりします。
路地裏に入ると、結構密集して建ってあったりしますね。
そういった場所は、出入り口も、路地に面していますので、利用者がまあまあ堂々と出入りしていたりすると、コチラが驚かされたりするのです。
世界共通のテイスト
すると、たまに場違いな格好をした外国人が、バックパックを背負って出てきたりするので、「ああ、この人たち、間違えて入ちゃったんだなあ~。」と、ちょっと同情したりします。
ラブホテルにもそれぞれ規約的なものがあるようですが、カップルだったら、やっぱりちゃんと一泊できるのでしょうね。
断る理由はありませんから。
しかし、外国人だって日本語はできなくても、バカじゃありませんヨ。やっぱりお部屋の装飾なんかを見ると、気が付くことでしょう。
「あ、コレって、特殊な部屋だなあ~。」って。
雰囲気と言いますか、テイスト的なモノは、世界共通なのです。
ラブホテルは日本の文化
そもそも『ラブホテル』というのは、日本発祥の文化だそうです。
僕が聞いた話では、よく似たモノは江戸後期からあったそうで、戦後の時代には「連れ込み宿」なんて呼ばれていたそうな。
その後、石川県のある社長さんが、車を運転するドライバーの皆さんに休憩してもらおうと、欧米風の「モーターホテル」(略してモーテル)を開業したのですが、どうも利用客は、他のコトにばかり使っているらしいと気が付いたそうです。
なので、もうソレ用に改装したのだとか・・・。
それまでの「連れ込み宿」は、鉄道の駅界隈ばかりだったのが、コレを機に、高速道路の出口に増えてきて、名前も「ラブホテル」と呼ばれるようになったそうです。
この『ラブホテル』という名前も、大阪に実際にあった「ホテル・ラブ」というホテルが語源だそうです。
調べてみると面白いモノですね。
欧米人は知っている。
では、欧米の人はそんな『ラブホテル』の存在を知っているのか?といいますと、実は結構なパーセンテージで、知ってたりします。
この『ラブホテル』の文化というのも、ひとつの日本の文化ですので、日本に興味のある人は、しっかり勉強してきたりしているのです。
僕自身も、大学の心理学の授業で「日本にはこういう文化がある」という感じで、教科書に載ってあった覚えがあります。
(その後、しっかりテストにも出てた気も・・・。)
そりゃあ、ビデオもテレビゲームも、カラオケまで揃ってあって、面白いお風呂まであれば、外国人だって喜びます。
そのために来日する人は少ないかもしれませんが、出来れば泊まってみたいと思っている外国人だって多いハズですね。
ブルーバレンタイン
では、こんな面白い、特異なホテルが、外国には無いのかといいますと・・・、
実は、あると思います。
「思います」という言い方は信憑性に欠けますが、僕自身がアメリカで利用したことがありませんし、僕がアメリカにいた90年代では、今と状況が少々ちがいます。
しかし、「あるのだろう。」と僕が思う理由は、そういうホテルが「ある映画」に登場するのです。
それが、夫婦の出会いと別れを描いた、観ると悲しくなる『ブルーバレンタイン』という映画。
この映画の中で、この夫婦は、2人の関係を修復するために、出かけるのですが、それが、どう見ても・・・、
ラブホテル。
ほらね。
しかし、部屋のCDデッキで音楽をかけて、2人で踊りだすというのは、さすがにアメリカ人。
この部分は、どう考えても向こうの文化ですね。
情熱的なカップルと冷めてしまった夫婦が思い出の中で逆行する、悲しい名作なのです。
しかし現地アメリカではそういいうホテルを「ラブホテル」とは呼ばないそうでして、「no-tell motels(ノーテル・モーテル)」なんて言うそうです。(ちゃんと韻を踏んでいるトコロが可愛いですね~~。)
しかも、今ではそのようなホテルを探す「アプリ」とかも開発されていまして、もうアメリカ人のの生活の一部にもなっているようです。
ラブホテルも、実は世界に発信された日本発の文化なのかもしれません。
世界中ドコへ行っても、人間の考えるコトなんて、まあまあ一緒なようですね・・・。
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