ヒラリー・クリントンが嫌われている理由 【そりゃ負ける】

なかなか驚きの大統領選挙でしたね。

妻は日本在住の欧州人で、アメリカには行ったコトもない人ですから、まあまあのアカの他人なのですが、今回の選挙はとても興味があったようで、いまだに興奮したまま、アメリカのニュース番組なんかを検索して見ています。

彼女にとって『初の女性大統領』が誕生しなかったのは、少し残念なようですが、それよりも政治家ではなく、ビジネスマンが大統領になったことに違和感があるようです。

イタリアのベルルスコーニを例に出し、「ビジネスマンは、自分のコトしか考えない人達だから、そんな人が大統領になんかなっちゃダメ!」と、新大統領に落胆しています。

僕はというと、大統領候補の選択肢が酷過ぎるので「まあ、外国のことだし、冗談なら面白いほうがイイ・・・。」と、他人事のように『カツラ疑惑の候補』を心の中では応援していたのですが「でも、どうせクリントンなんだろうなあ。」と、半ば諦めていたトコロでもあり、なんか勝てて嬉しかった気もしますね・・・。

しかし、彼女の嫌われようはヒドイですよ。

日本に居るとわからないとは思いますが、『ヒラリー・クリントン』という名前を聞いて、良い表情をするアメリカ人はそんなにいません。

その理由はと言うと、・・・やっぱり決定打は「旦那クリントンのスキャンダル」でしょうね。

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嫌われる才女


実は、ビル・クリントンが初めてアメリカの大統領になった時、僕はアメリカに居て、その瞬間をテレビで見ていたのでした。

今日、多くの人がニュースで見ていたように、アメリカの地図が州ごとに赤と青に塗り分けられるのをピザを食べながら見ていたのです。

そして、彼が当選した時には、まだ若かった彼の妻ヒラリーと喜ぶ姿をテレビ画面で見ていたわけなのですが、その端麗な容姿もあり、その後も彼女はメディアに良く出くるようになったのでした。

すると、なんとなく『旦那クリントンはバカで仕事が出来ないが、嫁クリントンは秀才で旦那を操っている』というキャラ設定で出来あがってしまい、彼女のファン的な女性たちも多く出現するようになったのです。

まあ、ビル・クリントンってそんなに頭良さそうな顔をしていないのも理由かもしれませんが、それはチョット言いすぎでしょう。

そしてヒラリー・ファンですよ。

皆さん彼女を崇めているような人達ですから、その主張もスゴイわけで、これがまあ、その・・・

ウザいのです。

「女性は強い!女性は頭がイイ!」と、ヒラリーを例に挙げて、男性のみならず、女性にも主張するわけです。

そうなると、だんだん彼女のアンチなんかも増えてきて、それに気が付いてきた女性たちは、ヒラリー夫人を持ちあげるのを止め、特にキャリアウーマン的な人達は「フン、ヒラリーなんか大したコトないワ!」と逆に『ヒラリーはダサい』みたいな流れになってきたのでした。

決定打のスキャンダル


そんな中での「旦那クリントンの性スキャンダル」です。

これが『旦那に裏切られた、か弱い女性』であったのなら、アメリカ国中、彼女に同情したかもしれませんが、『秀才で旦那を操っている』ハズの彼女でしたから、みんな面白がって、もう叩く叩く・・・。

この性スキャンダルでアメリカはお祭り騒ぎになり、保守派の人達は「ニュース番組がポルノ映画のようになってしまった!」と怒り心頭になり、その矛先は、なぜか浮気した旦那ではなく、しっかり『躾』てなかった妻ヒラリーに向かったのでした。

コメディアンのクリス・ロックなんかは「モニカよりも先に、ヒラリーが机の下にいるべきだったんだ!」と浮気男を擁護する始末です。

これではアメリカ人男性はおろか、女性からも人気が無くなるのは当たり前で、日本のニュース番組などでは、「彼女の政策が・・・」どうの、「トランプ人気が・・・」どうのと、言ってますが、そんなコトは殆ど関係なく、ただ単に「アメリカ人はヒラリーが嫌い」というのが今回の結果の理由なのです。

しかし政治的には、さすが才女でして、アメリカ政府の中では重要な役割を果たしてきて、大統領候補にもなったわけですが、あんな暴言吐きのセクハラおやじにまで負けるくらい、アメリカ人の心は彼女から離れてしまっていたというコトですね。

ヒラリーでなければ、勝てていたかもしれないというわけです。

次のチャンス?


先ほど、あんなにヒラリーさんを小馬鹿にしていたクリス・ロックさんは、2003年に『Head of State』(邦題ヒップホップ・プレジデント)という映画で、アメリカ初の黒人大統領候補という役を演じて、その5年後には本当に黒人大統領が誕生しました。

それまで『黒人の大統領』というのは、映画の世界のお話だったのに、現実に出来たわけです。

今回は、アメリカ初の女性大統領の誕生を祝うコトが出来ず残念でしたが、アメリカの人達は「女性だから大統領にはなれない」という考えは特に無いようで、これからも才能のある女性政治家が出てくれば、いくらでもチャンスはあるとは思います。

ただトランプは・・・、どうなんでしょうね・・・。

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