本場ヨーロッパではバターやクリームが違う?

国々の違い

あれは僕がまだ高校生のときでした。

初めてアメリカでホームステイした時、ホストファミリーのお父さんは「毎月お金なんて要らないから、うちの牧場を手伝ってくれたらいいよ!!」と言ってくれたので、1年そこの牧場で働きながら学校へ行っていました。

週に2~3回、朝の4時から200頭の牛の乳搾りをして、他の時間は牛の世話などをすることになったのですが、それが、まあ大変。

だいたい、牛なんて今まで触れたことが無い上に、おっぱいにだって触ったことの無い男子高校生なのですから、お乳を搾れと言われましても、ゼロからの体験なのです。

目覚ましが鳴ったら歯を磨いて、四輪バギーで牛舎へ向かい、暗い中で牛の群れを搾乳所へ追い込むのです。追い込まれた牛たちは、左右四頭づつに別れて、動かないように餌をあげます。まあ、実際には搾乳機という機械でミルクを搾るので、機械を「スポッ、スポッ、」って感じで乳首にハメていくわけです。手で200頭はムリですよ。

ただ、あいつらってドコでもウ○コするんですね。
やっぱり集団生活をしていますから、一頭が調子悪かったら、全部の牛がお腹下ってたりするモノなんで、もう牛舎なんて目も当てられない状態だったりするんです。

「ホント 搾乳所は地獄だぜ! フゥハハハーハァー!」

とフルメタル・ジャケットのワンシーンのようなセリフも口に出たりするのです。

ホント朝は眠いし、英語もわからないし、そんなこんなで、1年はソコで頑張ったわけです。

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アメリカの牛乳が薄い?

しかし、おかしなことに、牧場を営んでいるくせに、おウチにおいてある牛乳がなぜか・・・

美味しくない・・・!

それもそのはず、家の冷蔵庫に置いてあるのは、ウチで絞った牛乳などではなく、スーパーで買ってきた無脂肪乳なんです。

「牛乳の脂肪は体に良くないからね!」と丸々に太ったお母さんが言うのですが、僕は「だったらバターを減らせばいいのに・・・」と思いながらその牛乳を飲んでいました。

その後、カルフォルニアの家族の家でホームステイすることになったのですが、そこも無脂肪乳でした。

アメリカの人って無脂肪乳ばかり飲むのですね。

でも、わざわざ自分で牛乳を買うほど牛乳好きでもなかったので、家の冷蔵庫のものを飲んでいましたが、大学になると一人で暮らすことになり、自分用の牛乳を1ガロンボトルで買ってくるようになったのです。

それでもなぜか、まだ美味しくない。

アメリカの牛乳というのは、何故か薄く感じて、脂肪量の違いかなとは思ったのですが、別にそうでも無さそうです。アメリカの牛乳は一般的なものでもだいたい1~2パーセントで、日本のように3.4くらいの全乳(whole milk)というのもちゃんと売ってありました。

一度、牧場で働いていた時に、絞りたての牛乳も飲んでみたのですが「新鮮だなあ」とは感じたのですが、なぜか「濃いなあ」とは思いませんでした。

何が違うんでしょうね・・・・。

ヨーロッパの牛乳は・・・!


さて、それから時は経って、小さい娘をつれてヨーロッパに滞在した時のこと。

娘が「牛乳飲みたい」というので、近くのコンビニ(?)で小さいパックを買ってストローを刺してあげたのです。小さい子供は力を入れすぎてこぼす事もあるので、いつも最初の一口はパパが飲むのですが、その牛乳が・・・

えらく濃いのです。生クリームそのまま飲んだみたいに。

言葉が分からないので、パッケージに何と書いてあったのか分からないのですが、いまだに謎です。

僕は専門家ではありませんので、印象でしか話せないのですが「牛も国によって違うのかな」くらいしか分からないですね。

一度、妻のお義父さんが病気になった時、ヨーロッパへ急いで行って、空港からそのまま病院へ行ったことがあります。

近くのバー(?)くらいしか開いていなかったので、食事はそこでしたのですが、メニューはバーの無愛想なオヤジが冷蔵庫からパッケージを出して、レンジでチンしただけの、冷凍のパスタでした。

クリームソースのパスタだったのですが、それがその・・・

えらく旨かったのです。そんなものが。

何なんでしょうね。クリームソースがえらく濃かったように思います。

乳文化

日本では味噌や醤油が良くないと料理全体がダメになるのと同じように、ヨーロッパではバターやクリームが料理にとても重要なのだと聞いたことがあります。(多分『美味しんぼ』で。)

また、良い味噌や醤油を作るためには、良い大豆を育てなければならないのと同じように、やはり良い牛乳があるからこその良い乳製品なのでしょう。確かにヨーロッパのチーズはウマいですから。

しかし、アメリカだって、どちらかというと、バターやクリームの食文化だとは思うのですが、やはり脂肪を怖がり過ぎているせいでしょうか、ヨーロッパの方が断然食べ物はウマいのです。(アメリカ人ってバターは死ぬほど使うんですけどね、ホント死ぬほど・・・。)

”乳製品や肉料理などの西洋の食文化は日本人に合わない”というような話を、最近はよく聞いたりします。
しかし、西洋の文化も、長い歴史に育まれたモノなのです。
ウマいモノはやっぱりウマいですよ。

こういった食文化に触れられるのも、外国人妻の良い点ですね。

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