外国人というか、アメリカ人には、自然が好きという人が多いような印象があります。
僕がいたアメリカの西海岸側では、特に白人の人で、たぶん10人に一人くらいは、ロッククライミングとか、トレッキングとかを、少人数、もしくは一人で週末にたのしむという人がいてたように思います。
もちろん、日本にもそういう趣味の人はいるでしょうが、僕自身が関西の田舎の出身のせいか、僕の周りにはあまりそういう人はいませんでした。(どちらかというと「都会へ行きたい!」という人が多いような・・・。)
そういう自然大好きなアメリカ人は、「Tree hugger」などと呼ばれていて、日本語に訳すと「木に抱きつく人」というような感じです。
日本はアニメやテクノロジーで、世界中で有名でもありますが、実は『自然が豊か』というイメージも外国人の中には多く、このようなTree huggerたちは、バックパックを背負って、日本へやってくるのです。
また、そういう人たちは、野菜中心の和食をえらく『リスペクト』していまして、禅などの日本文化にすごく共鳴していたりするのです。
アメリカの友人
ある僕のアメリカ人の友人が、フェイスブックで婚約を発表しました。
彼は若干22歳で、まだ学生でしたので、僕たち夫婦は「まだ若いのに・・・。」と、老婆心ながらに心配していたのでした。
するとある日曜日、彼はひょっこり日本にやって来て、僕たちの通っている教会に、顔を出したのです。
僕は「あれ?一人なの?」と聞くと、彼は「一人ですよ。」と言うので、「だって婚約したでしょ?」と聞くと、「今回は一人で来まシタ。」と言うのです。
そして聞くところによると、2週間ほど日本に滞在するそうな。
普通なら『婚前旅行』とか言って、彼女と楽しく二人で、いろんな日本の楽しい場所を回って、ラブラブな思いでを作るハズのでしょうが、彼は一人でやってきたのです。
一人のワケ
僕は「じゃあ、USJ行った?東京は?秋葉原は?」と聞いたのですが、どうもあまり興味なさそうに「今回はそういうトコロには行くコトは無いデス。」と彼は答えました。
僕は「・・・もしかして、貧乏旅行で、あまり予算がないのかなあ・・・」と、ちょっと可愛そうに思い、「ドコのホテルに泊まってるの?」と聞くと、彼は少し恥ずかしそうに、こう答えたのです。
「日本語で何て言うか分からないけど、スリーピング・バック(寝袋)デス。」
僕は「え?どういうコト?」と聞くと、彼は「スリーピング・バッグで、好きなトコロで寝てます。」と言うのです。
僕は「ええ!!なんだってえ!!!」と、驚きました。
「やっぱり、お金がないの?」と聞くと、「イイエ、そうではなくて、外で寝るのが好きなのデス。」と彼は答えます。
僕は「だって、日本人だって皆いい人というわけじゃないよ?、しかも雨が降ったらどうすんの?」と、考え直すように質問したのですが、彼は、
「ダイジョウブ。ダイジョウブ。アメリカではいつもやってるヨ!」
と言うのです。
そうです。彼は自然を愛するTree huggerだったのです。
まあ、彼はアメリカでも、田舎のほうの出身ですし、僕の住んでいる町も、スグに道を外れれば、自然と触れ合えるような場所ですから、「自然が好き」と言うような人であれば、外で寝るのは不可能ではないのですが・・・。
日本に来てホームレス体験なんて、もしかしたらUSJよりも、思い出に残る体験になるかもしれませんね。
(もしかしたら、ちょっとした違法行為かも・・・。)
僕は彼のしているコト(公園のトイレで顔を洗っていたり・・・)を聞いていると、「なるほど、これじゃあ婚約者の彼女を連れて来れないワケだ・・・。」と、妙に納得してしまったのでした。
僕は彼に「何かあったら、スグに電話しなさい。」と、電話番号を渡したのですが、彼って、まあまあの変人ですよね。
自然派な人ってチョッとおかしい
こういう「自然が大好きな人」と言いますか、Tree huggerと呼ばれる人たちは、やっぱりアメリカでも『眉をひそめられる』存在です。変人なのです。
自然破壊に抵抗して、木に自分を鎖で繋いだり、シャンプーやデオドラントを使わない生活をしてみたり、Tree huggerと言うと、アメリカでも、ひとクセもふたクセもある、おかしな人のコトですので、褒め言葉にはなりません。
よく、自然動物保護の団体が、街中で丸裸になって抗議しているニュースを聞いたりしませんか?
おそらく、自分たちがどれほど「自然を愛しているか」を証明したい気持ちが強すぎて、一線を越えてしまうのでしょう。
やっぱり、自然を愛しすぎる人は、チョッと変わった人たちなのです。
そして、そういう彼らは、木と紙でできた家に住んで、野菜中心の食事をし、自然と共に生活している、我々日本人を、畏敬の念を持って見ていたりするのですが・・・、
本当の私たち(現代日本人)を見てしまうと、幻滅するだろうなあ・・・。
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