ある日お昼のワイドショーでのこと。
「若者の食事の欧米化」といったタイトルで、最近の若い人達の食生活の変化について特集をしていたのでした。
過度のダイエットやコンビニの出現で伝統的な日本の食文化が失われているという内容だったのですが、ある若い女の子のお昼ご飯がスナック菓子だった(!)事に、とあるジャーナリストがえらく驚いていたのでした。
それを聞いたコメンテーターは「変わった食生活ではあるけど、それを『欧米化』だなんて言うのは言いすぎですよ。だってアメリカ人のお昼ご飯がポテトチップスなわけないじゃないですか。それはあまりに失礼ですよハハハ。」と冗談交じりに答えていたのですが・・・、
実は・・・、
お昼がポテチのアメリカ人、結構いてます。
僕がアメリカの高校へ留学していたとき、ホストファミリーが僕に「これお昼に食べなさい」と持たせてもらった紙袋に入っていたものはポテチとリンゴでした。
僕はそれを見て「コレは意地悪なのか?冗談なのか?」と少々考えたのですが、半年ほどしてやっと「ああ、こういう食生活なのだな」と理解しました。
「食べ物に無頓着」な人
アメリカには「食べ物に無頓着」な人が結構います。特にラテン語圏以外の国出身の人に多くいます。
例えば、僕の友達の日本在住のアメリカ人男性(独身)、彼の一日の食事は、朝がコーンフレーク、昼がエンゼルパイ12個、夜はバナナを食パンで包んだものでした。
彼は特別に貧乏というわけではありません。エンゼルパイが12個も買えるのですから、おにぎりやお弁当だって買おうと思えば買えるわけです。
もちろん「主食」などという高度な概念は持ち合わせてはいません。
日本の方は「アメリカ人は昔から肉をガツガツ食べている」というイメージがあるようですが、実はそんなことも無く、古い西部映画などを見ると、カウボーイ達がバーなんかで食べているのはだいたい何かの「おかゆ」っぽいモノです。
いまでもアメリカ人はそんなに毎日お肉を食べているわけではありませんし、毎日食べれるようになったのも、やっとこの6~70年くらいの事でしょうから、それ以前の食事というのは随分さみしいモノだったようです。
このような食文化の人達なので、そんな中から毎食ゴハンを炊いて、お味噌汁と焼き魚を作ってくれるお嫁さんを探そうとなると、なかなかそんなわけにもいかないとは思います。
もちろん結婚はムリだとは言いませんが、その場合は彼女に頑張ってもらうか、コチラが諦めるかしないと、決着は付かないでしょう。
このような「食べ物に無頓着」な女性は、白人女性が多いようで、黒人の女性はもう少しお料理はするようです。
黒人シンガーのR Kellyなんかは、自信のヒット曲”When Woman’s Fed Up”の終盤で突然「Some of the best cookin’ you ever had」と彼女の料理について叫んだりします。
食の砂漠
また私たちは、「アメリカは車社会」というイメージもあるのですが、アメリカの格差は酷く、貧乏な家庭は車を所有してません。彼らは車が無いので、スーパーマーケットに行くことができません。
アメリカのスーパーは大規模ですので、だいたい郊外です。新鮮な食べ物を買えない地域は「Food Desert」(食の砂漠)と呼ばれていたりします。現地でもこれは問題になっていたりするのです。
彼らは近くのコンビニくらいしか行けないのです。
コンビニも日本のように品揃えが良いわけでもなく、アメリカの貧困層(全人口の15%!)はコンビニにある(少々高めの)スナック菓子や袋に入ったケーキくらいしか食べれず、お肉が食卓に上がることはありません。
新鮮な野菜さえも彼らには贅沢品である場合もあるのです。
しかし、同情は必要ありません
ただ、上記ような境遇の人たちであれば同情されるべきではあるかもしれませんが、もともと「食べ物に無頓着」な人達は自分達の食生活は普通であると思っているので、寂しい食生活に思えるようですが、別に可哀想でもなんでもないのです。
彼らは逆に食事に気を使っている人たちを「Foodie」とか言ってからかったりしています。
同情することは無いのです。
そして「Foodie」と呼ばれるような人達こそが、日本と日本の食文化に憧れて、はるばるやってくるような人達ですので、そういった人達とはむしろ仲良くやって行くべきで、話の合う人達なのです。
ただ、「Foodie」にはベジタリアンな方々も多いそうなので、肉食な男性(この場合は本当にお肉が好きという意味です)は、相手が菜食主義でないかどうか確かめておくことも必要になることでしょう。
最近、小学校でウチの子供たちが「三角食べ」という食事テクニックを習ったようで、小皿のおかずを満遍なく食べるようになりました。
そういう様子を見ると、日本の食生活は高度でなんて贅沢なんだろうと思ったりするのです。
こんな日本の食生活に、価値を見出してくれるような女性であれば、十分にお嫁さん候補になることでしょう。
コメント