若者よ!冒険をしよう!【グランドキャニオンに宇宙人が出た話】

留学経験

アメリカに留学をしていた高校生の時、僕は日本人の友達と「誰もやったことの無いことをやってみたい!」という欲望に駆り立てられたコトがあります。

若くして海外へ飛び立つ決意をした人達ですから、多少の冒険心はあったのでしょう。

しかし、だいたい思いつくモノといったら、

「アボカドを堅いまま美味しく食べる方法を見つける」とか、
「お風呂にコーラを入れて、ホントに骨が溶けるか入ってみる」とか、

冒険とはほど遠い(少々)バカな実験のようなコトばかり。

高校生の思い付くアイデアなんてそんなものです。

ただ、今のユーチューバーの「ハシリ」みたいなコトをその当時にやっていたと思うと「いつの時代も、若者って、あまり変わらないのね~」とか思います。

こんなコトを思い始めると、もう歳ですね。

スポンサーリンク


グランドキャニオンでカニ鍋

我々、若き冒険家たちは日々アイデアを出し合っていたのですが、仲間の一人が物凄いコトを思いついたのです。

「グランドキャニオンでカニ鍋をしよう!」

僕たちは、その前人未到のアイデアに生唾を飲みこんだのでした。

早速、我々は近くの日本食マーケットで大量のうどん玉と、出汁の素とポン酢、豆腐と白菜(的なモノ)そして主役のカニ数杯を買い込みました。

食材をクーラーボックスに詰め込み、キャンプ用品とを友達の車に積み込んで、いざグランドキャニオンへと向かったのでした。

冒険の旅

本当にアメリカの荒野というのは何も無く、進んでも進んでも同じ風景でした。

若い僕たちには物珍しくもあり、退屈でもありました。

しかし我々は、今まで誰もなし得たことの無い「グランドキャニオンでカニ鍋」という大きな目標に向かい、武者震いが絶えないのでした。

Little Wing

カリフォルニアのデスバレーを横切るときには、カーステレオにはスティングの「Nothing like the Sun」のカセットテープが入っていました。

夕日に照らされた砂漠をバックに聞いた「Little Wing」に、鳥肌が立つくらい感動したのでした。

途中、ラスベガスに寄って、ハードロックカフェではお気に入りのロックアーティストの楽器が展示してあって興奮したのを覚えています。

絶景

そして、やっとのことでたどり着いたグランドキャニオンは、もう壮絶なくらいデカイのです。

ホントにスケールが違うのです。

僕たちは初めて『景色』というモノに感動を覚えたのでした。

そして絶望

「さあ、始めようか!」と、僕たちは、初めから目的としていた「グランドキャニオン鍋」を実行するために、道具を準備し始めました。

そこで、僕たちは絶望を味わったのです。

「この場所で火を使ってはいけません」

立てかけてあった看板には英語でそう書いてありました。

「国定公園だもんね。しょうがないよね。」

できればこの絶景を見ながら、カニの汁をすすりたかったのですが、その夢は叶いませんでした。

鍋の味は・・・

しかたなく、僕たちは帰路のハイウェイの側道でキャンプ道具を出してお鍋をすることにしたのでした。

夢破れた僕たちは敗北感を味わいながら、菜箸でお鍋の支度を始めたのです。

大量のうどんとカニ、しなびた野菜と豆腐しか入っていない、僕たちの『グランドキャニオン鍋』がグツグツと煮えてきました。

僕たちはカニの足を一本づつとり、乾杯のマネをした後「せーの」でカニ汁を思い切り飲み込んだのですが・・・、

「オエー!!ゴホッ!」

腐っていたのです。この長い道のりで。

まあ、無理もないですよね。

グランドキャニオンの宇宙人

あんなに強いアンモニア臭を吸い込んだ経験は、後にも先にもこれ一度きりで、5分ほど全員が目を回して倒れこんでいたのです。

少し経ってから、仲間の一人が立ちあがって、目に涙を浮かべながら言いました。

「さあ捨てるか・・・。」

僕たちは大量のうどんとカニをアメリカのハイウェイの側道に残して、帰路に就いたのでした。

0131f6e8

アメリカの人達はコレを見てどう思ったでしょうね。

恐らく「あ、うどんだ!」とは思わないでしょう。(うどんなんて知らないでしょうから。)

もしかしたら、「わあ!宇宙人だ~!!」とか思ったりして。

帰りの道でもカーステレオには、スティングの「Nothing like the Sun」がかかっていました。

今でも大好きなアルバムの一つです。

冒険してほしい?

あれから、僕も歳を重ねて、今ではそろそろ高校生になる娘の父親にもなりました。

子供には怪我はしてほしくないですし、いつも安全にいてもらいたいとも思っています。

しかし、それと同じくらい、いろいろな経験をして、できれば冒険もしてもらいたいのです。

それは別に、外国へ行かなければできないというコトではありませんが、外国の空気を感じるというのも、大きな経験ではあります。

遅くはないですよ!!

もちろん、若い頃のほうが、チャンスは多いでしょうが、冒険をするのに「遅すぎる」なんてこともないですよ。

最近の日本は便利で、心地よく過ごせるために、なかなか外へ飛び出そうという気にはならないかもしれません。

でも、冒険の経験や思い出というのは、人生の大きな財産になることでしょう。

コメント

  1. Aki より:

    いつも楽しい記事をありがとうございます。2年半前に日本に帰って来たんですが、また今年の11月くらいから海外赴任になりそうです(⌒-⌒; )
    日本に住みたいのに(>人<;)
    まあ、タイなんでタイ人嫁は大喜びですが。

    • busan99 より:

      Akiさんどうもです!
      たまに行くのは楽しそうですけど、仕事となると大変でしょうね。
      暖かそうなので、チョットうらやましい気もしますよ。

タイトルとURLをコピーしました