外国の『婚姻届』と晩婚・少子化のお話・・・。

国々の違い

日本で婚姻届を出すというのは非常に簡単で、あっけないものだなと思いました。

必要な書類に、名前とハンコを押して(妻はハンコが無かったのでサインでしたが・・・)、役所に提出するという、物凄く事務的なモノでして、決してロマンチックでは無いのです。

それに比べて、妻の母国で婚姻届けを出すのはもっと複雑で、誓約書のようなものを書かされたり、それを保証する人が必要だったりと、ある意味メンドくさかったりするのですが、同時に「大事なコトなんだなあ。」と改めて感じれる機会でもあったのです。

当たり前ですが、僕と妻は両国で届けを出しています。

妻の母国はカトリックの国で、つい最近(40年ほど前)までは離婚は法律で禁止されていたくらい、保守的な人は保守的なのです。

また婚姻にも慎重な人はまだまだ多いせいか、国際結婚となると、いろんな証明書類を書かされた上に、資格のある翻訳者に翻訳してもらい、最後に『アポスティーユ』と呼ばれる公印確認をしてもらって、公文書にしてもらう必要がありました。

最終的に大使館へ全部の書類を持って行ったのですが、その日は運よく大使がおられたので、直々にサインをしてもらったのです。

もちろん言葉がわからないので、「サンキュー!サンキュー!」とだけ言って、僕は妻と手を繋いで大使館の中を物珍しそうに眺めていたのでした。

妻の国には、警察官にも種類があるらしく、一風変わった制服の警官が大使館の中を警備していました。(後から聞くと『カラビニエリ』というそうです。)

日本の中なのに、そこは法的にも雰囲気的にも外国だったのです。

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イタリアの風習?

一通り手続きが終わって、僕は「やっと終わったね。」と言うと、彼女は「まだですヨ。あと一ヶ月かかります。」と答えました。

どうも僕たち2人の名前を、妻の出身地の市役所に掲示して、一ヶ月間だれも異議を申し立てなければ、晴れて婚姻成功となるそうなのです。

「そんな必要あるのかなあ・・・?」と僕は首をひねってましたが、そういう風習なのだから従わないわけにも行きません。

数ヶ月後、僕たちはハネムーンも兼ねて、妻の出身地へ行ったのですが、市役所の人がその掲示した紙を取っておいてくれたようで、僕たちに渡してくれました。

僕たちの結婚に誰も異議は無かったようです。
ヨカッタ。ヨカッタ。

晩婚化の理由?

突然ではありますが、晩婚・少子化というのは、じつは欧州でも大変な問題になっています。

その理由は・・・というと、そんなに簡単なコトでは無いので、一言では説明は難しいのですが、大体のトコロは日本と同じだと思います。

たとえば女性が大学へ行って、卒業して、社会へでて、ある程度の経験と収入を得るようになって、「さて結婚」と考えるようになる年齢とは、だいたい27~28くらいなのではないでしょうか?

この時点でもう、ひと昔前に比べると遅いわけです。

そこから、運が良ければ2,3年で結婚できたとしても、夫婦2人で子供のいない生活も楽しみたいでしょう。となると、30で妊娠というのはチョット早い気もします。そうすれば妊娠は32~34でしょうか。

ただし、コレは運が良い場合。付き合っている人がいるのならともかく「さあ、結婚!」と意気込んで、相手を見つけるのにかかる年数なんて、実際にはわかりません。

僕は専門家ではありませんので、健康な赤ちゃんが産める女性の年齢(第一子)は、はっきり知りませんが、それが20代半ばから30代半ばだとすると、ウチのように28歳同士で結婚しても・・・、ぎりぎりですよね。

だからと言って我々男性が「女性は大学へ行くな!」「女性は社会へ出るな!」とも言えません。
社会は厳しいですが、魅力的なところでもありますし、特に西ヨーロッパの女性は、社会で働くことを望む場合が多いのです。

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ヨーロッパの就職率

皆さんもご存知のように、ヨーロッパは比較的に社会福祉が進んでいて、福利厚生、長期休暇と、働く人には嬉しい面もありますが、雇う側にはつらいことも多く、なかなか(簡単には)欧州企業は人を雇おうとしません。

なので、ヨーロッパの若い独身男性(女性も)が仕事に就けず、両親と住んでいるという事は普通だったりするのです。

そうなると、ますます適齢期に結婚できるカップルは少なくなることでしょう。

その結果、高い教育の受けれない貧困層の若い女性が子供を多く出産するようになります。

それがヨーロッパでは、イスラムの移民の女性である場合が多いのです。

幸せというのは人によって違いますので、何が正しくて、何が悪いかはその人の立場によって変わることでしょう。

彼らも幸せを望んで移民してきたわけですから「ヨーロッパから出て行け!」とも言えません。(合法であれば。)

どこか遠い国で起きているお話だと、皆さん安心しているかもしれませんが、近い将来、もし中国経済が崩壊でもすれば、日本も同じような問題に直面することでしょう。

日本は何かと外国人にやさしい国なので、何らかの法整備は早めにしておかないと、いつの間にか我々は中国語を話すようになっているかもしれないですね・・・。

楽観的でありましょう!

・・・と、まあ、思わぬ方向に話しが進んでしまいましたが、ヨーロッパ人同士でも結婚というのは、なかなか重大な決断が必要となるモノなのです。

しかし、人間というのは「明るい未来がある!」と思うからこそ、結婚して、子供を作るわけでして、将来に悲観的な男性は、結婚出来ないばかりか、よっぽどハンサムで無ければ女性なんてよって来ないのですヨ。

楽観的な将来像を持てないというコトが、晩婚化・少子化の一番の理由かもしれません。

イタリア・ポルトガル・スペインといった、比較低楽観的な、ラテン系ヨーロッパ出身の女性と結婚出来たからこそ、僕も3人もの、かわいい子供たちに恵まれたのでしょうね・・・。

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