土俵に上がるな?　西洋の女人禁制と男尊女卑

最近ちょっとニュースになっている土俵の女人禁制の話。

僕の感じ方がおかしいのか、どうもテレビ等のメディアが、わざと『女VS男』の構図にしようと煽り立てているように感じるのですが、どうでしょ？

「人命」よりも「しきたり」のほうが大切だなんて誰も思っていませんヨ。

あの「女の人は土俵に上がらないでください」のアナウンスは、医療のコトを何も知らない、どちらかというとマジメな行司さんが言った事で、いまでは後悔もされていることでしょう。

彼は別に『女は穢れている！！』だなんて思ってはいないと思いますよ。たぶん。

西洋の女人禁制

日本のリベラルと呼ばれる人たちは、何かというと「欧米では・・・」みたいに、欧米を持ち上げたりするものですが、欧米文化の基礎となる「キリスト教」というのは、まあまあな男尊女卑ですよ。

だって、女性はローマ法王には選ばれないでしょうし、司教も司祭もムリでしょう。

神父さまにも、女性はなれないでしょうしね。「父」ですからね。

だいたい聖書にしっかり書いてあります。「（生理中の）女性は穢れている」と。

キリスト教だけではありません。

古代オリンピックも女人禁制で、男性のみが丸裸で競技をしていたそうな・・・。
（こうなると、どっちが虐げられているのかわからないですね。）

アトス山の修道院

しかもヨーロッパには、いまでも女人禁制の自治区（共和国！）があります。

それが『アトス自治修道士共和国』。

ココは凄い（ヒドイ？）ですよ。

この国はギリシア国内に位置していて、海からの交通手段しかない全長約45kmの細長い岬に、修道士たちが毎日厳しい修行をしているという、不思議な場所なのです。

そして女性はというと、岸から500m以内に近づくことができません。

それは徹底していて、猫以外の動物もオスしか入れないのです。（！）

どうもね。猫はねずみを獲ってくれるから、繁殖用なんですって。

というか、猫以外は繁殖しなくてもいいのか？ってか、人間は？・・・と謎は深まりますが、「修行の邪魔になる」という理由と、「聖地を汚す」という理由で女人禁制なのです。
（入った場合は最長２年の禁固刑！！）

でも、やっぱり難民や漂流した女性の場合は受け入れたことがあったらしく、１０年ほど前には、人身売買業者から逃れた女性が知らずに入ってしまったりとかもあったそうです。
●モルドバの女性4人、誤って女人禁制のアトス山に入る

共通点は女性の神様？

さて、このアトス山は「女性に開放するように！」と再三EUから文句を言われているそうですが、ご本尊というかご神体というか、その修道院の始まりというのが、実は聖母マリアさまの伝説だそうです。

ウィキペディアには、こんなお話が。

伝承によれば、マリヤが旅の途中で嵐に遭いアトスの海岸に避難したとき、その美しさに惹かれて自分の土地としたとされる。下船したマリヤは、アトスの異教の偶像を一瞬にして打ち倒し、この地に祝福を与えたとされる。

じゃあ、なんで女人禁制なんだ？？・・・と矛盾を感じますが、実は冒頭に話した相撲の「土俵に宿る神様」も実は女性の神様なのです（！）。驚きでしょ？

一説によると、相撲は豊作を願い、五穀豊穣の神である『女性の神様』を喜ばすために、男性たちが体をはって戦ったのが始まりなのだそうな。

女人禁制の由来が、女性の神様というのは、なかなかショッキングですが、だとすると『女性は穢れている！』というのは、どうも後から付け足した理由かもしれません。

しきたり＝差別ではない？

僕の周りの人（女性）だけに聞いたコトですので、しっかりとした数字は表せませんが・・・、

どうも、『土俵に女性が上がれない』というのを聞いても、大半の女性は「へ～そうなの？」と思うだけで、「虐げられている！」と感じる人は少数派のようです。

逆にもし、『タカラヅカの舞台には男性は上がれません』（実際にはわかりませんヨ！）と言われても、多くの男性は「ああ、そうなんだ。」とくらいしか思わないでしょう。

しきたりがあるからと言って、差別を感じるという人は、おそらくそんなにいません。

ソコは特に問題では無いですよ。
（テレビやメディアはソコばかりを大きく報道しているようですが。）

男女ともに、互いに敬意を感じていれば、自然としきたりは守られるでしょうし、緊急のときに異性が入ってきても、誰も文句は言わないでしょう。

大事なのは、お互いを尊重することですね。