アメリカにある日本のチェーンとアメリカナイズされた吉野家USA

アメリカの多くのお店には『○○さんのお店』という意味で『○○ズ』という名前がついてあります。

『デニーズ』なんて有名ですね。

実はマクドナルドも向こうでは『マッダ~ナーズ』とか言ってて、最後にちゃんと『ズ』がついてます。

個人の名前の商店には『ズ』が付を付ける習慣がありますので、アメリカ人はローソンも『ローソンズ』と言ってしまうそうです。

しかし、本家ローソンは、今ではアメリカにも進出しているそうですが、彼らの言いやすい『ローソンズ』ではなく、『ローソン・ステーション』という名前で展開しているようです。

そういえば、日本のローソンも看板にちゃんと『ステーション』って書いてありましたよね。

今ではローソンに限らず、ファミマやセブン等の日系のコンビニの多くがアメリカで出店しています。

『ファミリーマート』じゃなくて『ファミマ』だそうです。

セブンイレブンなんて実は、発祥は向こうなのですが、逆輸入状態のようです。

しかし、セブンイレブンの『n』だけが小文字なのは謎のままです。

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『和』の味

僕がアメリカで生活していた頃は、日本はバブル状態であったにも関わらず、アメリカに進出している店舗というのは、まだまだ少数でした。

スシなんかもまだ出始めの頃でしたので、スシバーなんかへ行っても、日本人ばかりで、アメリカに馴染んでいるような感じはしませんでした。

今でこそ『アメリカでラーメンが大流行!』とか言ってますが、僕の時代は、カリフォルニアのアーバインという場所にラーメン屋さんが一店舗あっただけで、アメリカ西部に住む全ての日本人はソコへ行くのが夢だったのです。

『ダシ』に含まれるグルタミン酸はというのは、麻薬と同じく禁断症状が出るらしく、『和』の味に飢えていた僕は、何にでも醤油をかけて食べていました。

不思議と醤油だけはどこにでも売っていましたが、アレって間違えて中国製のを買うと、味が中華風になっちゃうんですね。
何が違うんでしょうね?

「ショウガは?おしんこは?」

そんな時代に、いち早くアメリカでチェーン展開していた店舗が「吉野家」。

遠かったので、なかなか行くことはなかったのですが、うれしかったですね。

あの『牛丼』がアメリカで食べれるなんて思ってもみなかったですから。

僕は、他の若い日本人男性たちを連れて、数時間かけて行ったわけです。

ファーストフード風

すると、まずは思った以上にアメリカナイズされたお店に驚かさました。

もう、どう見てもファーストフードの店舗なんです。

あの独特の、殺伐とした、AカンBカンと呼ばれる『コの字型カウンター』がないのです。

もうそのころはアメリカ生活の長くなっていましたので、ちょっとしたコトくらいでは驚かなくなっていたのですが、久しぶりに戸惑いましたね。

「ショウガは?おしんこは?」と、涙目であたりを見渡す僕に、フロントの女性店員が

「ウエルカムトゥ ヨシノヤ メイアイヘルプユー?」
とか言うんです。

「じゃあ・・・、」
と、僕は勇気を振り絞って、とりあえず、いつものように注文してみることにしました。

「と・・・特盛、つゆぬき。」
「ホワット?」

やっぱり通じなかったようです。

野菜はいらない

向こうは『ジャパニーズファーストフード店』という触れ込みなので、こちらがおかしなお客さんでも、店員さんはちゃんとマニュアル通り対応します。

「こちらのベジタブル・チキン・ボウルはどうでしょうか?」(因みに牛丼はビーフ・ボウル)
「ノー、ノーサンキュウ。」

こちらの『ヨシノヤUSA』では、何かと温野菜をどんぶりの横に乗せたがるようです。

これはアメリカ人全体に言えるコトですが、牛肉の薄切りや炒め物には、なぜかブロッコリとニンジンを入れたがります。

たぶん健康のためというより、いろどりのためじゃないかなあ(?)とおもいます。

しかし、僕たちがはるばる来たのは、そんなモノを食べるためではないのです。

何とか英語で牛丼を注文すると、やっぱり「ご一緒にコーラはどうですか?」とか言うので、「飲めるか!」と心の中でツッコミながら僕たちは席に着きました。

たぶん一緒の味?

そうしていると、一人が「ちょっと違う・・・?」とか言い始めました。

「そうかなあ? 僕はいつもの牛丼だとおもうけどなあ?」というと、

「いや、絶対、肉とか違うって。」

日本の吉野家だって、わざわざアメリカの牛肉を使っているのに、そんなはずはないのですが、やっぱり環境が違ったり、ドンプリがプラスティックだったり、スプーンで食べたりすると、味も違うように感じるものなのでしょう。

今度は他の一人が「牛皿をお持ち帰りして、家で冷凍しよう。」と言うので、一同は「なんて秀逸なアイデアなんだろう」と感激し、またカウンターにならびなおしました。

そして、僕たちはお持ち帰りの牛皿18コを車に乗せて帰路に就いたのでした。

やっぱり牛丼は日本のシステムがいいです・・・。

でも、アメリカの吉野家は現地の人も結構いたので、認知されているようですね。

アメリカナイズされるのはさみしい感じもしますが、こうやって世界中の人たちに親しまれていくのは、嬉しくも感じますね。

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