知っている人も多いかもしれませんが、特にフランスなどヨーロッパ諸国は動物愛護活動が盛んです。
犬や猫などの、家庭用の愛玩動物は勿論のこと、馬、牛のような家畜や、食用の鶏やカモにも、彼らは「慈悲的であるべきだ」という意見を持っています。
生産方法があまりにも酷いということで、フランスでは「フォアグラ」の生産が禁止の方向で進んでいるというニュースは、皆様も聞いたことがあるかもしれません。
相手がカモなのに、「非人道的」という意見もどうかとは思いますが・・・。
僕は、動物園というのが実は苦手です。
においが嫌いなのです。
どんなに可愛い動物でも、どんなに珍しい動物でも、檻のなかにウ●コがあると、そっちのほうが気になります。
昔読んだ本の中で、『人間は直立歩行をするようになって、排泄時にお尻を拭かなければならない構造に体が進化した』という話を覚えていますが、動物たちのお尻のほうが、よっぽどウ●コが付いているのです。
潔癖症というほどのモノでは無いのですが、苦手は苦手です。
アメリカの牧場
そんな性格の僕なのに、アメリカで1年ほど、牧場で牛の世話をした経験があります。
『牛の世話』なんて、仕事の3分の1はウ●コの片付けなのです。
よく「人間のウ●コほどは臭くない」とは言いますが、やっぱり汚いですよ。
柵のなかはウ●コだらけだし、そんな中で作業をしますから、もうウ●コまみれにもなるわけです。
ブタ
牛たちは、そんな不潔な環境を気にしませんので、そんな中でもモシャモシャ飼料を食べるのですが、まあまあこぼしたりするわけで、そういう食べこぼしのエサは、集めてブタに与えたりします。
そんな牛のウ●コにまみれたエサを食べてるブタを見て、僕は「かわいそうなヤツらだなあ。」なんて、ちょっと同情したりしました。
ブタというのは牛なんかより、よっぽどカワイイ奴らで、ホースで水をかけてやると、気持ちよさそうに、表情をかえて、喜ぶのです。
ある朝、僕は「今日もブタちゃん達に、水でもかけてやろうかなあ~。」なんて思いながら、ブタ小屋へ行くと、ソコには彼らの生首と内臓だけになった、変わり果てた姿が・・・。
コレには、僕もなかなかのショック。
しかし、その夜の食卓はしっかりと、ローストされた大きなハムが出てきて、「わ~ん。美味しいよブタちゃ~ん。ごめんね~。」と、複雑な気持ちで頂いたのでした。
西洋は家畜文化
欧米というか、日本以外のだいたいの国は、昔からお肉を食べる習慣があり、彼らは我々よりも、家畜との距離は近く、生活に根付いたものなのです。
彼らは、動物を殺して生きてきたのです。
特にヨーロッパというのは、日本に比べると緯度が高く、北海道よりも北のくらいの位置に、国が集まっていたりします。
今ほど技術が無かったその昔は、農業をするには、なかなか大変は土地柄だったのです。
なので、毎年寒くなる頃には、冬を越せなさそうな家畜を殺して、塩漬けにしたりして、冬の食料にしていたそうです。
ヨーロッパの人たちは、動物を殺して生きてきたのです。
ハンティング
欧米には、動物たちを殺すのを一種の「ホビー」として楽しんでいる人たちも多くいます。
やっぱり都会の人は少ないようですが、田舎の方へ行くと、ライフルを持って山へ入り、ヘラジカなどを狙って『狩り』をするのを、毎年の楽しみとしている人も多いのです。
一応、捕った獲物は、解体して、お肉として食べるのですが、ヘラジカのお肉だって、買おうと思えば買えるわけですから、彼らの目的は別に食べるためではないのです。
わざわざ大変な目に会いながら、雪山を登り、大きな獲物を探すのです。
彼らは、有り余る食肉が売っているスーパーマーケットの前を、ライフル背負って通り過ぎ、山に入ってシカを撃つわけです。
聖書
欧米諸国は、キリスト教文化ですので、日常生活のいろいろな面で、聖書に基づいた『理屈』的なモノがあったりします。
実は、動物に対してもそうです。
聖書の一番最初の部分、『創世記』では神様は、人間たちが、いろいろな経験をして成長できる場所として、地球を創造します。
そうです。地球と動物を含む、その資源は、人間のために用意されているという考えなのです。
(自然を神様として崇めている、我々日本人には、チョッと共感しにくい部分ですね。)
そして神様は人類に、一番最初の使命を与えます。
「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ。」
(創世記1章28節)
神様は、人間に地球を管理するように、命じられたわけです。
コレには日本人の僕も同感で、人間がコレだけ増えて、地球上で猛威を振るっているわけですから、自然や動物を管理する役目は、人間の責任でもあるとは思うのです。
それは、動物を好きなだけ殺してもいいとか、好きなだけ木を伐採してもいいというわけではありません。
自然を保護するのも、人間の責任なわけです。
上から目線
そういう意味で、西洋の自然保護というのは、結構『上から目線』でして、動物や森林を「生かす」も「殺す」も人間の役目だと思っているわけです。
いま欧米諸国で流行している動物愛護も、実際に動物たちのためにやっているのかというと謎でもあるわけです。
ただ、欧米の人もみんな同じ考えというコトもありませんので、価値観はそれぞれです。
自然や動物を守ろうと言っている人たちも、それぞれに理由があることでしょう。
いろいろな考え方があって良いのです。
自分とは違う考えだからと言って、壁を作ってしまうのではなく、お互いに理解を深めようと、僕は思ったりするわけです・・・。
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