日本には「未熟な芸を皆で愛でる」といった文化があるようです。
例えば、あるハードなアイドルオタクは「歌があまりに上手なアイドルには萌えない」と言っていました。
なるほど、アイドルの成長を自分たちも共に見届けたいという心境なのでしょう。
そういった心理をうまく掴んで、握手券や投票券を買わせるなんて頭のいい商売ですね。
なので、ファンはアイドルの一所懸命なところを見たいだけなので、歌もダンスも上手な必要は無く(?)、頑張っている姿を見せればいいわけです。
ところで皆さん、欧米(この場合は主にアメリカ・イギリスでしょう。)のアイドルグループを幾つ言えるでしょうか?
3つも出てくれば、まあまあの洋楽ファンではないでしょうか・・・?
アメリカやイギリスはジャンルの住み分けがはっきりしていますので、日本のアイドルが歌うようなどっちつかずのいわゆる「ポップス」というのは逆に流行りにくかったりします。
ですので、それぞれのジャンルにそれぞれのアイドルグループが存在するような感じです。
たとえば、ヒップホップのアイドルグループ、カントリーのアイドルグループ、というような感じですね。
そういえば、ヘビメタのアイドルグループでは、最近では日本の女の子たちが有名ですね。
もちろん、スパイスガールズ(懐かしい!)のようなティーン・ポップ・アイドルグループも多く存在するのですが、実はCDの売り上げなんかはハードロックやヒップホップのほうが上だったりするのです。
こういう僕も、一時期は「黒人・ガールズ・アイドルグループ」が好きで(そんなジャンルがあるのかどうかは謎ですが)、デスティニーズ・チャイルドなんかのCDをよく買ってたりしました。
・・・で、「日本のアイドルグループとの違いは?」といいますと、
・・・まあ違うとこばかりです。
まず、歌やダンスのパフォーマンスは大人顔負けくらいの実力です。
デスチャ(デスティニーズ・チャイルドの事ですね。)の中でもビヨンセはずば抜けてましたが、そのほかの人たち、ミッシェルやケリーもなかなかの芸達者です。
いやまあ、日本のアイドルグループだって、頑張ってますし、上手ではありますが、先ほど言ったように、ファンは別にソコを望んでないような気がします・・・。
米アイドルの歌は「ヘンテコ」
あと曲(歌)が結構、前衛的です。簡単に言うと「ヘンテコ」です。
日本のようにありきたりな「どこかで聞いたことのある」ような曲を歌いません。
でもそんな「ヘンテコ」な曲をヒットチャートに載せて流行らせたりするので、トレンドセッター的な役割もあるのです。流行を発信する側という事ですね。
そういうわけで、(特に)アメリカのアイドルグループというのは面白かったりするのですが、日本のような「未熟な芸を皆で愛でる」といった文化が欧米に全くないということもありません。
例えば、ジャネット・ジャクソンがデビューしたときなんかは、それに近い感情がアメリカ国民にはあったような気がします。
ただ、彼女にはすでに「マイケルの妹」というブランドがありましたので、他の人に当てはまるかは謎ですね。
僕はガチガチの洋楽派でしたので、「日本のアイドルの音楽なんてあんなもの・・・」と考えていた時期も長かったのですが、音楽の仕事を一時期させていただいて考えも変わり、いまでは「音楽の楽しみ方は人それぞれ」だと思っています。
でも、日本のアイドルのうたう歌は「ありきたり」だと書かせていただきましたが、そういったフォーマットの決まってしまっているジャンルの音楽であっても中には、面白いアレンジもあったり、いい歌詞のものもあることを付け加えさせていただきます。
いわゆる一つの文化ですから、どちらが良い・悪いというコトでもないのです。
女性アーティストの脱ぎっぷり
そして欧米のアイドルというのは、最終的にはセクシー路線を進んで、半裸でステージで歌うというのが、一つの『鉄則』でもあります・・・。
アメリカ家庭というのは、ケーブル放送に加入している場合が多く、いろんなチャンネルを見る事ができます。
僕が始めてアメリカへ行ったのが89年でしたので、それまでにCATVと言うものに触れた事がなく「アメリカのテレビはチャンネルが多いのだなあ」と感心していました。
僕はその頃から音楽への興味があって、MTVなどの音楽チャンネルを良くみていたのですが、ホストファミリーのご両親なんかは「あんまり見ない方がいいよ・・・」なんて忠告したりするのです。
最初は、なぜ彼らがそんな事を言うのか分からなかったのですが、見ている内に「ああ、コレは教育によくないなあ」と思うようになりました。
日本の音楽ビデオをあんまり見た事が無いので比較もできないのですが、アメリカのアーティストって何かと「セクシー路線」が多い気がします。
ビヨンセ、ブリトニー、ファーギー、アギレラなどの女性アーティストのヌード率というと、何か「服着て歌ったらいけないのか?」と思うくらいです。
そして男性(ラップ)アーティストとなると、オープンカーに水着の女の子を乗せれるだけ乗せてドライブといった、アメリカでの「女性の権利」に疑いを持ってしまうような作品ばかりです。
先ほども言いましたように、僕がアメリカに行ったのが89年ですので、いまからもう20年も前になるのですが、そんな昔からでも、マドンナ、シンディー・ローパー、そしてティナ・ターナーの脱ぎっぷりは今のアーティストには負けないくらいの勢いで、高校生だった僕には天使でもあり悪魔でもあったのでした・・・。
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