「日本語は世界で一番すばらしい言語なのだ!」とか言うのはナンセンス??

言語

少し前に僕は”Let it Go“の日本語訳がちょっと意味が違うんじゃないかというお話を書きましたが、英語を日本語に訳してその歌にあわせるというのは、まあまあ不可能だったりします。

しかも聞くところによると”レリゴー”の場合は、歌っているキャラクターの口の形にも合わせる必要があったらしく、あの日本語訳は実はスゴイのだそうです。

例えば最後の「少しも寒くないわ~」の部分は、もとの英語で「Cold doesn’t bother me anyway.」なのですが、訳すと「私には寒さは平気だしね♪」みたいな感じになります。

コレをメロディーにのせて、しかもキャラクターの口に合わせようとなると、それはやっぱりムリでしょう。

なので少々意味が違っても「少しも寒くないわ~」は、いいセンを行ってると思いますし、僕にだったら出来なかっただろうなんて思ったりもします。

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もともと英語の歌

日本で歌われている元々英語のうた、例えばクリスマスソングやフォークソングなんかは、もとの歌詞を最初から無視しているのも少なくありません。

たとえば、「線路は続くよ~♪」という有名な歌は、英語では「線路で働いている私は~♪」と言う歌詞で、テーマは同じ(?)ですが主人公が違います。

「ゴンべさんの赤ちゃんが風邪ひいた~♪」なんていう歌は、もう原型をとどめていません。(参照⇒リパブリック讃歌

クリスマスによく歌われる「真っ赤なお鼻のトナカイ」も、英語ではトナカイに「ルドルフ」というちゃんとした名前が付けられていて、もっと詳細なストーリーが設定されています。

赤鼻のトナカイ「ルドルフ」は、ツルツルの鼻を持っていました。
もし、あなたがソレを見たら「ソレって光ってるんじゃない?」と言うでしょう。
他のトナカイたちは、彼の名前を呼んでからかいました。
彼らは可哀そうなルドルフを『トナカイ・ゲーム』に誘ってあげるコトも無かったのです。

『トナカイ・ゲーム』ってなんだ?と思う人もいるでしょうが、英語の歌詞はこんな感じです。

実際の英語の歌では、赤鼻のトナカイが優しいサンタに出会うまで、こんなに長いストーリーが設定されているのに、ほとんど省略されているのです。

それは一体なぜなのでしょうか?
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収まりきれない

ある時、「アニメタルUSA」というアルバムを聴く機会がありました。日本のアニメソングをアメリカのメタルバンドが歌うというものです。

サウンドもしっかり「メタル」していて、楽しく聴いていました。

今回の場合は”レリゴー”の逆で日本語の歌詞を英語訳で歌っています。

そこで気が付いたのは、日本語の場合は音符ひとつに一音づつしか当てられないのに対して、英語は一単語づつ乗せれる(乗せれない場合もある)ということです。

例えば、宇宙戦艦ヤマトのテーマがそのアルバムに入っていたのですが、日本語では「さらば~地球よ~」の「さらば~」の3音だけで「Good bye earth(地球よさよなら)」と歌えてしまっているのです。

日本語では一文字一音符なのですが、英語ではそうではないのです。半分以下の音数で、日本語の言いたいコトを、英語では言えるのです。エコですね。

というコトは、逆に英語の歌詞を日本語にすると、2倍の長さになってしまって、曲に収まらないという状況が発生します。

これが日本語訳歌詞の難しいトコロですね。

なので、「真っ赤なお鼻のトナカイ」の日本語歌詞は、英語にあったトナカイの名前も、詳しいストーリーも、すべて省略するしかなかったのです。

優秀な言語

「じゃあ、英語の方が言語として優秀なのかあ~」と思う方もおられるかもしれませんが、そんなコトはありません。

第一、日本語の歌を英語にする場合に、メロディーが『余る』のであれば、ソレはソレで、問題ですヨ。関係の無いコトを足すコトはできません。

最近なにかと流行っている「俳句」なんかも、英語では通じにくい表現が多くあります。

実はアメリカ人は、中学校くらいで、一応「HAIKU」というのは習います。

何か話していて、5・7・5のリズムになったら「ヘイ!ハイクだね!」とか冗談で言ったりするのですが、そのリズム以上にどれくらい「俳句の何たるか」と理解しているかは謎です。

しかし、まあ、僕がシェークスピアとかを英語で読んでも、あまり良さがわからなかったりするので、その辺は「ドッチもドッチ」なのかもしれません。
(だって関係のないコトばかり言って、話が混乱するでしょ?シェークスピアって。苦手だなあ。)
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比べようがない

英語も日本語も違う言語ですので、固有名詞以外は、単語が本当に全く同じ意味を指しているのかというと、たまに疑問に思ったりもします。

それくらい、チガウ言語なのです。比べようがないのです。

本当に言葉の意味をわかるためには、言語ごとマスターするしかないでしょう。

なので、日本語しか知らない人が「日本語は世界で一番すばらしい言語なのだ!」とか言うのはナンセンスなのですよ。

英語だって、日本語だって、そのほかの言語でも、理解すれば、素晴らしく美しい言語になり得るでしょう。

さあ、次は妻の母国語を勉強するか・・・。

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